こんにちは、管理人です。
今日は「三度目の殺人」の公開日ってことで、さっそく見に行ってきました♪
普段はあんまり新作映画を見る方じゃないんですが、
- 福山雅治さん
- 広瀬すずさん
って、個人的に一番好きな俳優さん&女優さんだったんでw
興奮が冷めやらぬうちに、映画を見た感想と、自分の解釈を書いていきたいと思います!
※当然ですが、以下全力でネタバレします。
なので、未視聴でこれから自分で見たい方は、今すぐブラウザの「戻る」ボタンを押してください!
では、早速いってみましょう!
コンテンツ
「三度目の殺人」の、結末のネタバレ
おおまかなあらすじについては、公式サイト等にあるので、ここでは割愛します。
ここでは、物語の核心である、結末部分(裁判開始後)をメインにネタバレしていきます。
三隅の通帳に振り込まれてた50万円の正体
裁判が始まり、三隅(役所広司さん)が受け取っていた50万円は、「殺人実行の前金」ではなく、「工場の不祥事に対する口止め料」だったことが判明します。
被害者の工場長は、実はタダ同然の食料品(たしか小麦粉です)を、正規の料金でさばくという不正によって、利益を得ていました。
三隅(役所広司さん)は、クビを言い渡され、工場長を逆にそのことでゆすり、「口止め料」として、口座に振り込んでもらったという経緯でした。
咲江(広瀬すずさん)の中にあった、父親への殺意
そして、殺された工場長というのは、仕事上の不正をしていただけではありませんでした。
こともあろうに実の娘である咲江(広瀬すずさん)にも、日常的に暴行を行っていたことがわかります。
そして、実は
三隅(役所広司さん)と咲江(広瀬すずさん)は、以前から顔見知りであり、三隅(役所広司さん)と会う時の彼女は、作中とは相反して「笑顔に溢れた少女」であった
ということも、近隣住民の証言から明らかになります。
最初の公判の後、咲江(広瀬すずさん)は、重盛(福山雅治さん)ら弁護士団に、スマホに保存してた三隅(役所広司さん)とのツーショット写真を見せます。
実はこの時、大きな雪のケーキを作りながら、咲江(広瀬すずさん)は三隅(役所広司さん)に自分の身の上を打ち明けたと考えられます。
法廷で真実を証言したがる咲江(広瀬すずさん)
そして、咲江(広瀬すずさん)は、そのこと(三隅は悪くないということ)を、法廷で証言したがります。
重盛(福山雅治さん)らは反対します。
なぜなら、検事側の厳しい追求により、父親に暴行されてた事実などを、裁判で明るみに出さなければならないからです。
つまり、この時点で、
「真実を話し、三隅(役所広司さん)を救う(刑を軽くする)」
=
「咲江(広瀬すずさん)が、裁判で追求を受け、傷つく」
という構図が出来上がります。
突如証言を覆す三隅(役所広司さん)
咲江(広瀬すずさん)が、法廷で真実を話したがってるということを、重盛(福山雅治さん)が三隅(役所広司さん)に伝えると、彼は葛藤の後、突如証言を覆します。
「あの日、私は河川敷には行ってない。」
「私は殺してないんだ。」
「弁護士や警察は、最初から話を信じてくれないから、自白しただけなんだ。」
と。
そして、このタイミングで証言を覆すのは圧倒的に不利であると指摘する重盛(福山雅治さん)に対して、
「(裁判の)戦略がどうこうって話じゃないんだ!私の話を信じてくれるのか?」
と、声を荒げて問いただします。
三隅(役所広司さん)の気持ち(※後述)を悟った重盛(福山雅治さん)は、このタイミングで証言を覆すことに同意します。
判決
その後三隅(役所広司さん)は予定通り、裁判中に突如証言を覆し、
- 「殺してない。」
- 「犯人じゃないんだ。」
と主張します。
裁判は大混乱で、最初からのやり直しも提案されますが、裁判官の「やり直しても一緒だよ」という表情を察し、そのまま続行されます。
そして、判決で三隅(役所広司さん)は、「死刑」を求刑されます。
- 犯人性の否認が怪しい
- 美津江(斉藤由貴さん)とやり取りがあったメールによる「殺人依頼説」が、憶測の域を出ないこと
が理由です。
判決後、満足気な表情を浮かべる三隅(役所広司さん)
その後の、重盛(福山雅治さん)と三隅(役所広司さん)の面会のシーンが、実質ラストになります。
ここでは、重盛(福山雅治さん)が「一つの仮説」をぶつけます。
「三隅(役所広司さん)があのタイミングで証言を覆した理由は、咲江(広瀬すずさん)が法廷で辛い証言をし、傷つくのを阻止するためだったのではないか?」
というものです。
そう聞かれた三隅(役所広司さん)は
「あなた(重盛(福山雅治さん))もそう考えたのですか?」
と、質問し返します。
どちらもこの問に明確な答えはしませんが、二人の表情は「YES」と言ってます。
三隅(役所広司さん)は、これまで何度も言ってるように
「自分は生まれて来なければよかった人間だ。」
「でも、もし今回の一連の一件で、咲江(広瀬すずさん)を救えたなら、役に立てた」
というようなことを言い、二人の面会は終了します。
何故「三度目の殺人なのか?」の答え
作中で、三隅(役所広司さん)が実は、昭和61年にも類似の殺人事件で逮捕されてることがわかります。
「その事件と、今回の工場長の事件だから・・・、あれ、計2回じゃない?」
とか思ってたら、エンドロールで「3度目」の意味がわかりました。
彼は、3度目に「自分自身」を殺人しました。
あのタイミングで証言を覆すことで、死刑が求刑されることは覚悟されており、
「咲江(広瀬すずさん)を救うために、自分自身の死刑を受け入れる(「三度目の殺人」)ということを行った」
っていうのが、今回のタイトルの意味になりますね。
感想
管理人の「個人的な」感想を、簡潔に述べてきます。
演技面
役者の方は皆レベルが高かったです。
が、管理人の中での「演技面で、圧倒的にぶっちぎりのMVP」は、役所広司さんです!
最初は、
「ギャンブル好きで、借金まみれ」
「お金のために人を殺してしまう人」
「コロコロ証言を変えるダメ人間」
って印象でしたが、その演技が抜群です。
しかも、それが実は後半になって、
「私利私欲っていうのは全然なくて、単純に一人の少女を救うため、そして悪の元凶を裁くために行動した人」
であることがわかるわけですが、そのことがわかっても、ピンっと一本筋が通ってるようなものを感じます。
あの、「優柔不断さ」、「一見するとダメ人間っぽい感じ」が、前半と後半で同じ演技なのに全然違って見えるところが素晴らしかったです^^
あとは、福山雅治さんの安定感も凄いし、斉藤由貴さんも良かったな~。
最初に重盛(福山雅治さん)が家に訪れ、と対面したときシーンが印象的です♪
あの、「悲しい遺族」の演技なんて、大女優じゃないとできないですからね!
あとは「中盤での広瀬すずさんとのやり取りの演技」も良かったです^^
鍋をコトコト煮込む広瀬すずさんを後ろから抱きしめて、
「サキちゃん(広瀬すずさん)北海道の大学行ったら、お母さん寂しくて死んじゃうかも」
的なセリフを言うところなんて、最近民放で波瑠さんとの親子関係を演じるドラマで演じてるキャラを思わせるし、ほんと独特です。
あと、広瀬すずさんも、話題作に出まくってるだけあって、演技力が更に上手くなってるとも感じました。
今回は、「真実を言いたいのに言えない」みたいな、葛藤に苦しみ溜め込むようなシーンが多かったですね。
そういうところの間のとり方も一流の女優さんと言えるかなってのが、個人的な感想です。
ストーリー面
「理解しやすいのに、きちんと謎も残るところ」が、すごく良かったです。
実は管理人、「福山雅治さんが弁護士役で、広瀬すずさんが被害者の娘役」ってことくらいしか、予習せずに映画館に行ったけど、普通に苦労なくついていけました。
そして、実は最後まで見てもはっきりせず、残る謎(※後述)もあります。
こういうところを考えさせられるのも楽しいし、「いろんな解釈があり、それを視聴者に委ねてる」系の作品って、管理人は好きなので、そういう意味では相当おもしろい作品と言えます。
視聴し終わって、残る謎
さて、ネタバレ等ダラダラと書いてきましたが、実は最後まで見ても謎だった点があるので、以下列挙していきます。
真犯人
まずは真犯人です。
これ、2つの可能性が考えられるんですよね~。
普通に考えて、作中の通り三隅(役所広司さん)がやったって考えるのが自然です。
が一方、咲江(広瀬すずさん)だった可能性も十分にあります。
だって、こんなシーンが出てきますからね・・・。
途中、重盛(福山雅治さん)が三隅(役所広司さん)に対して、
「クビになったのに、どうやって社長を現場に呼び出したんですか?」
っていう鋭い質問をしてるので、この瞬間は、彼が咲江(広瀬すずさん)の犯行をかばってる説も頭に浮かびましたが、
「食品偽装の件でゆするために呼び出した」
っていう話で、一応辻褄はあいます。
ただ・・・、
「被害者の工場長が、クビにした社員のそんな誘いに乗って、あんな山奥までついていくか?」
って疑問もあるし、実は三隅(役所広司さん)、殺人をした後に灯油を工場まで取りに行ってますからね。
そこに不自然さも感じるので、「数ある可能性の一つ」として、例えば
- 実は工場長を殺したのは咲江(広瀬すずさん)
- そこに通りかかるか、咲江(広瀬すずさん)から連絡を受けて、三隅(役所広司さん)が事実を知る
- 焼いて処理をして、罪をかぶったのが三隅(役所広司さん)
とかっていう可能性も十分あるでしょう。
そう考えると
- 被害者男性があそこで亡くなっていたこと
- 三隅(役所広司さん)の手に火傷があったこと
- 灯油を取りにいった理由
の全てに、説明がつく気がしました。
咲江(広瀬すずさん)の足の怪我の原因って、結局・・・
あとは細かいところで、咲江(広瀬すずさん)の足の怪我の原因についても、最後までわかりませんでした。
- 「周囲には、飛び降りて怪我したって言ってる」という噂あり
- 咲江(広瀬すずさん)本人も「飛び降りてできた」と言ってる
- 弁護士らの調査によると、「生まれつき」
ってのが、作中で出てきた証言ですが、細かいながら、個人的にはここも謎でした。
原作を読んでみるのもいいですね♪
また、こちらの作品は、ノベルズ版の原作も存在します。
楽天ブックスでの人気もすごいし、文字を読むのが苦手でない方はどうぞw
また、登場人物やロケ地に関する関連記事も、紹介しておきます♪
おわりに
簡潔に書くつもりが結構長くなってしまった^^;
「人を裁く人を誰が選ぶのか」っていう作中にあるセリフが非常に印象的で、この作品のテーマを一言で表してる気がしました。
- 真実は一つではないこと
- 「建前上の真実」と「真実」は必ずしも一致しないこと
をすごく痛感するし、司法制度の危うさみたいなものっていうか、
- 「人が人を裁くということ」
に対する疑問のようなものを、強く訴えかけられた気がします。
最終的には、三隅(役所広司さん)の意図どおり
「三度目の殺人」
が、あっさりと行われてしまうわけですが、「犯人性の否認」の話が出たタイミングで、重盛(福山雅治さん)や咲江(広瀬すずさん)が、もうちょっと違う行動を取ってたら、どうなってたのかな~ってのも考えてしまいます。
とにかく色々と考えさせられる作品でした。